何でこんなに好きなんだろう…。

自分がどんどん醜くなっていく。女じゃなくなるみたい。 そんな時に彼と会った。 決して許される事はない。でも失いたくない。ごめんなさい…。

悪あがき

抱きしめられ・キスをしようとする彼に最後の悪あがき…。自分の中でキスと挿入はダメだと思っていた。その事を伝えると…


わかった……


と彼が言い・主人を裏切る事は出来ない。

子供達の事も裏切る事になる。

この病気になり醜くなっても変わらずに愛してくれる主人。

薬が切れると身体が震え前傾姿勢になり


一緒にいるのが恥ずかしいでしょ。ごめんね。


と言うと


恥ずかしいなんて思った事無いよ…


と自分の腕に私の手をかけてくれる子供達。

逆に自分だったら…

と考えた時キスと挿入だけは主人にして欲しくなかった。

もう十分裏切っていたのに自分の中で裏切っていないと理由付けていた。


その日は1時間半程車の中で話して帰った。

好きかも知れない

DBS手術の事を詳しく知りたいです。

前から気になっているのですが勇気が無くて。


いいですよ。


お茶でもしながら…。そこの喫茶店だからどうぞ乗って下さい。


どうして乗ってしまったのだろう。15歳も年上でバツ1…同じ病気で同じ悩みを持ち・男の自信を無くしかけた彼と醜くなる自分に女じゃ無くなると思っていた自分。

行き先は喫茶店ではなく人気のない駐車場。


えっ?


戸惑う私に彼は


最初に話した時からずっと忘れられなかった。ずっと探していたんです。


と言われた。優しく抱きしめられた。

何故だか抵抗出来なかった。


それは自分も同じ気持ちだったから。

この病気の辛さを分かり合えるあの人をとても愛おしく思えたから。


好きかもしれない…。そう思った瞬間だった。

連絡先の交換

次に会った時・DBS手術について詳しく教えて貰えますか?


と言われていた。何度かパチンコ店で見かけていたけれど気付かないフリをしていた。

たまたま座った台。その隣にたまたま彼が座った…。


あれ?貴女は…?

ずっと探していたんです。

会えて良かった。

少し時間ありますか?


いいですよ。


お互いの病気の経緯を話して連絡先の交換をした。


何故あの時何の抵抗も無く連絡先を教えたのだろう。


それはこの病気の辛さを分かり合えたから。病気の辛さとパチンコをやめられない辛さ…。両方とも一緒だったから。